コロナ禍 管理栄養士を目指す方へ

初めまして

病院管理栄養士をしているChrisです

管理栄養士を目指している方や、これから病院実習が始まる方、

 

 ・急性期病院管理栄養士って実際何をするの?

 ・具体的にどういった知識が必要なの?

 ・数ある病院の中からどこを選ぼう?

 

と目指す時に不安になる方も多いのではないのでしょうか?

 

わたし自身、病院管理栄養士で栄養指導をバンバンいきたいという

気持ちは持っていたのですが、実際の業務は多岐に渡り、ほぼ全職種の方と

食を通して関わりを持つことになるとは思っていなくて、、、

 

わたしの勤めている病院業務を例にこの1年で行ったこと、現場の声、

また、働いてわかる具体的な病院のについてまとめていきます

 

 

初回の内容は

 病院管理栄養士の業務内容 : 栄養管理

 に焦点を当てていきます

 

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 ▷病院管理栄養士の業務内容 

    栄養管理

  病院業務の最も基礎となる部分、入院患者の栄養管理

 

  入院した患者の

  ・主訴(どういった経緯で入院したの?)

  ・既往 (こんな疾患が過去にあったよ、今後注意だね)

  ・入院前は誰と暮らしていたか (食事は誰が管理する?)

  ・内服薬はないか (どんな薬が処方されている?水分や肝臓機能に注意かも)

  ・STによる食形態指示(歯はある?飲み込める?)

  ・身長、体重、BMI(どんな体格の方ですか?)

  ・採血結果 (入院前どんな食生活をおくっていたの)

 

 医師から食事開始の指示を受けると、看護師がカルテに入力してくれた

上記のポイントを確認し、患者に適切な食事内容となるよう調整します

 

  例えば

  ・主訴 : 変形性膝関節症

  ・既往 : 高血圧、糖尿病

  ・入院前誰と暮らしていたか : パートナー

  ・内服薬はないか : 高血圧、糖尿病治療薬

  ・STによる食形態指示 : なし

  ・身長、体重、BMI : 160cm 、80kg、31.25

  ・採血結果 : HbA1c 7.2 BP 180/80 TP 7.0  Alb 4.4. HGB 13

  ( 適当な例であり、実際の人物はいません )

 

 治療食は医師の指示により決定 

  ⇨ 糖尿病食

 

 ここで、この人に必要なエネルギー量は?

  ⇨ この人の場合はBMI30以上の過体重

    調整体重を計算する

   ※ 現体重を使用するとエネルギー過剰になり、

      適正体重であると患者普段の食事量とかけ離れすぎてしまうため。

[( 現体重 80 kg ー 適正体重 56 kg ) × 0.25 ] + 適正体重 56 kg = 調整体重 62 kg

   62 kg × 25 ~ 30 kcal = 1550 ~ 1860 kcal

   この患者は変形性膝関節症で入院しているため、

   手術した後は車椅子でのリハビリとなるだろう

   今後足の負担を減らすタメにも減量が必要だろう

 そのため、必要エネルギー量は調整体重 × 25 kcal でキリよく1600 kcalとなる

 

 次に必要な最低水分量は?

 ⇨ 既往に心疾患がないこと。利尿剤の有無を確認する

   この患者はないため、現体重 × 25 ~ 35 ml で算出する

   約2400ml

  

 以上で、この患者の必要エネルギー量と必要水分量が出ました

 この出した必要量に合わせ、食事の量を決定していく

 という流れが、栄養管理になります

 

 確認するところがいっぱいでなんか大変そう、、、

 

 といった印象をパッと見、思うかもしれませんが、

 あー、この方、手術のためにちょっと減量が必要だな

 あー、この方、脳梗塞になったんだ、再発しやすいから食事注意してほしいな

 と患者がどういった経緯で入院したかを思い浮かべながらすると、

 いつの間にやらスルスル計算できるようになってました

 

 というわけで

 長々とお話ししましたが、

 ・主訴

 ・既往

 ・入院前誰と暮らしていたか

 ・内服薬はないか

 ・STによる食形態指示

 ・身長、体重、BMI

 ・採血結果

 

 から、患者のことを知って、読み取って、栄養管理をしていきます

 

以上!

次はこの患者の栄養指導についてまとめていきます